⁠【高校生・未成年の中国短期留学】スマホ決済の壁と、欧米とは違う「現地サポートのリアル」⁠

「なんで中国にしたん……?」

軽自動車が1台買える勢いでお金が飛んでいくのを目の当たりにし、私は心の中で何度もそう呟いていました。

この夏、高校生の娘が中国の大学の語学サマースクールへ参加し、50日間の留学を無事に終えて帰国しました。欧米留学に比べれば生活費等は抑えられるとはいえ、準備段階から現地での手続きまで、親としてはまさに「綱渡り」のような日々でした。

特に大変だったのが、「未成年」×「中国のスマホ決済・銀行口座開設」という高いハードルです。これから未成年の中国留学を検討しているご家庭の参考になればと思い、我が家のリアルな体験談を記録に残しておきます。

1. 未成年の壁!現地での銀行口座開設は「親同伴」が必須?

大学の入学案内には「現地で中国の電話番号を取得し、銀行口座を開設すること」と記載されていました。構内に開設ブースがあり、エージェントさんが通訳として付き添ってくださる予定だったのですが……ここで「未成年の壁」が立ちはだかります。

結論から言うと、親が同伴(しかもおそらく中国国籍が必要)でないと、未成年の銀行口座開設は不可能でした。

携帯電話の番号自体は、日本に支社がある会社を通じて事前に取得できたものの、こちらも未成年ゆえに親のパスポートや顔写真の提出など厳重な確認が必要でした。

2. Alipay・WeChat Payの「アカウントロック」事件と神対応

中国生活に欠かせないスマホ決済(AlipayやWeChat Pay)。日本のクレジットカードを紐付けた状態ではうまく決済できないことが多いと聞いていたため、事前にセキュリティ緩和の申請をしていました。

しかし、案の定スマホ決済運営会社側からのアカウントロックが発生。

このピンチを救ってくれたのが、エージェントさんが紹介してくださった現地の世話人さんでした。世話人さんが直接カスタマーサポートに電話し、粘り強く交渉してくださったおかげで、無事にアリペイもウィチャットペイも使えるようになったのです。

中国に何のツテもない私からすると、この世話人さんはまさに「神様」に見えました。(感謝の気持ちを込めて韓国のソーダギフトアプリで贈り物をしようとしたのですが、またしてもカードの不正検知ロックがかかり挫折……最終的には別の形でお礼をお渡ししました)。

我が家が用意した「予備策」

  • 現金のお渡し:現地世話人さんに現金をお渡しし、娘のアカウントへ送金してもらう方法
  • 送金機能付きレンタルスマホ:最悪の事態に備えて予備機を契約・持参(結果的に使わずに済みました)

3. 欧米留学との違い——なぜ未成年の中国留学は手探りになるのか?

イギリスのボーディングスクールなど欧米の未成年留学であれば、「ガーディアン(現地後見人)」の選任やサポート体制、費用の相場、どこまで世話をしてくれるかがしっかりと体系化されています。

しかし、日本から未成年で中国留学をするケースは前例も需要も非常に少ないのが現状です。

  • 需要が少ないため体系化できない:万全のサポート体制を組んで高額な斡旋料を設定すると、ただでさえ少ない需要がさらに減ってしまう。
  • 明確な確約ができない:現地のインフラや制度が「外国人の未成年」を想定していないため、エージェント側も「どこまで対応できるか」の事前確約が難しく、起きた出来事に臨機応変に対応するしかない。

そう考えると、今回エージェントや現地世話人さんに支払ったお代は、受けた手厚いサポートに対して「安すぎた」と心から思いました。手厚いマニュアルがあるわけではなく、現地世話人さんの個人的な交渉力や善意に救われた部分が非常に大きかったからです。

未成年を送り出す親が少ない理由、そして現地で誰も知り合いがいない状態のリスクを痛感しました。

4. クラスの留学生事情と「のほほん」な娘

娘のクラスにはロシア人やタイ人が多く、アメリカ人はごくわずか(中国系アメリカ人が中心)。ほとんどが18歳以上だったため、各自で中国の銀行口座を開設してスムーズにスマホ決済を使っていたようです。

仲良くなったロシア人の友達は、中国の電話番号を取得していなかったため出前アプリが使えず、娘がスマホ決済で立て替えて部屋で一緒にご飯を食べることもあったのだとか。

当の娘はというと、親の「発狂しそうなほどの心配」をどこ風吹く風。「お母さんが勝手にレンタルした」と文句を言いながらも、サクサク使えるスマホ決済を使いこなして新幹線やタクシーに乗り、現地の人とも仲良くなって中国を満喫していました。

親としてはハラハラし通しでしたが、心配しすぎて精神的に萎縮してしまうよりは、これくらい「のほほん」としている方が頼もしかったのかもしれません。

5. 費用対効果と、目に見えない「体験」という価値

飛んでいったお金の大半は、学費、寮費、航空券、海外旅行保険といった「留学にかかる実費」です。安心・安全に生活を送れるようになるまでの準備費用を含めると、決して安い金額ではありません。

塾や学校のように「成績アップ」という分かりやすい客観的価値に結びつくわけでもないため、「留学の費用対効果」に二の足を踏む気持ちはよく分かります。

ですが、普段は「勉強があるから遊べない」と自分を追い詰めていた娘が、持っていった参考書には一切手をつけず(笑)、たくさんの友達を作り、目一杯遊んで帰ってきた姿を見て、思い切って行かせて良かったと感じています。

誰も知り合いがいない異国の地で、頼れるエージェントさんや世話人さんと出会い、自分の足で行動した50日間。

莫大なお金は飛んでいきましたが(一番下の子だからこそ出せた親の背伸びでもあります!)、この夏に得たたくましさを原資にして、これからの大学受験へ向けて走り抜けてくれることを信じています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました