10年前に以前住んでいた県よりもさらに田舎の地方へと引っ越してきました。そこで親しくなった高齢者の方々から地域の話を伺う中で、私が捉えた「田舎特有の人間関係」について、いくつか特徴を挙げてみたいと思います。
もちろん、私自身が人間関係の幅が広くないため偏った見方かもしれませんが、一つの視点としてお読みください。
私が感じた「田舎」の人間関係における特徴
• 世代交代が緩やか: 何世代も前から住み続ける家族が多く、人の入れ替わりが激しくない。
• 固定化された関係性: 人間関係が固定しやすいため、「出る杭」にならないような気質が形成されやすい。
• 二面性のある穏やかさ: 一見穏やかで協調性が高い人が多いが、地域の掟を破った者への風当たりは強い。
• 共同体の価値観: 近代化が進んでも農家の割合が高く、昔ながらの共同体意識が現存している。
• 親戚の密集: 同じ地区に親戚が住んでいる家族が多い。
• 地域の勢力: 昔は親戚同士が手を組み、地域の勢力として土地を治めることもあちこちで見られたらしい。
| 比較項目 | 都会・核家族スタイル | 田舎・共同体スタイル |
|---|---|---|
| つながりの単位 | 個人・夫婦 | 家と家(一族) |
| 人間関係 | 流動的(入れ替わりあり) | 固定化(何世代も続く) |
| 求められる能力 | 個人の社交性 | 和を保つ実務力(料理等) |
▲ 私がこれまでの生活で感じた、環境による価値観のギャップをまとめました。
私自身のルーツと「核家族化」
翻って我が家を振り返ると、実家も義実家も父親が婿養子であったからか、親の代から核家族化が進んでいたように思います。
幼い頃、私や夫の世代は(今の我が子たちに比べれば)長期休みに従兄弟同士で交流がありました。しかし、その交流も父方よりは母方の親戚との方が多かった気がします。これもまた、父が婿養子であったことが影響していたのかもしれません。
私は元々あまり人付き合いをしないタイプなので、よそのご家庭の親戚付き合い事情には疎い方です。しかし最近、それが少し気になり始めています。
子供の結婚を見据え「付き合いの型」を知っておきたい
なぜ最近になって親戚付き合いが気になるのか。それは、子供が将来結婚した際、相手方の親戚とどうお付き合いすべきか「理想の型」をイメージしておきたいからです。
あらかじめ「こうすればいい」という型が分かっていれば、無用な諍いを起こさずに済みます。
私は本来人付き合いが好きではないため、子供の結婚相手の親御さんとも、そこまで濃いお付き合いは望んでいません。それでも、最低限押さえておくべきポイントは知っておかなければならないと感じています。
子供には幸せな結婚生活を送ってほしいと願う一方で、身近な親の代の例を見ていると、生涯愛情深い関係性を築き続けることの難しさも感じます。また、都会の核家族の中では意識しないことかもしれませんが、田舎の結びつきが強い一族と縁があれば、個人同士ではなく「家と家のつながり」を維持するための努力も必要になってくるでしょう。
個人の周りを強固なつながりが囲む構造。
外側ほど「変えられないルール」として存在します。
移住と定住は「嫁入り」のようなストレス
幸い、私の義実家は昔ながらの農家の家風がありつつも、舅が婿養子だったおかげで敷地内同居は回避できました。もし10年前、県外から引っ越してきた時に同居を選んでいたら、今の私とは全く違う、もっと重い経験をした人間になっていたかもしれません。
しかし、同居を避けて新興住宅地に住んだ私でも、この地域ではこれまで経験したことのないような壮絶な体験をしました。そこでの経験は、私の人生後半戦を歩む上での大きな知見となりました。
右も左も分からない地域に定住することは、例えるなら「嫁入り」のストレスに似ています。何十年も続く集団の中に後から入る時の、あの無力さや孤独感。これは、地域のつながりが希薄な都会にお住まいの方には、なかなかイメージしにくいことかもしれません。
「嫁入り」に似た無力さと孤独。
完成された輪に入るには、大きなエネルギーが必要です。
妻の役割と「コミュニケーション能力」の正体
家族や親戚関係のまとめ方には、妻や嫁の個性が大きく影響すると感じます。
先日、自治会の会合での出来事です。ある高齢男性が「毎年正月は子供達一家が帰省し、杵と臼で餅つきをするのが恒例行事だ」と話されていました。それを聞いた私と他の女性役員は、「準備や後片付けをする奥さんは大変だろうな……」と顔を見合わせました。
皆が居心地よく過ごせる機会を作るためには、誰かが(多くの場合、女性が)裏方となって気を回さなければなりません。ここで求められる「コミュニケーション能力」とは、単に和やかに喋ることだけではなく、料理を振る舞ったり、場を整えたりする実務的な力も含まれるのです。
我が子たちが将来、どのように親戚付き合いをしていけばいいのか。今から少し頭を抱えてしまいます。
料理が苦手だったり、人付き合いに自信がなかったりする「コミュ障」なお母さん方に、この気持ちを少しでも共感していただければ幸いです。


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